2010年05月14日

アナリストに聞く製薬業界の動向(下)―酒井文義氏(クレディ・スイス証券医薬品シニア・アナリスト)(医療介護CBニュース)

―最近、大日本住友製薬や塩野義製薬には、米国の企業の買収で自社販売拠点をつくるという動きがありますが、どう評価されていますか。

 うまくいけばそれなりのリターンはありますが、今のところリスクが先行しています。塩野義が買収した米サイエル社(現シオノギファーマ)も、業績の足を引っ張りつつある状況です。大日本住友は自社の売り上げ規模に匹敵する米セプラコール社を買収して、なおかつ2000億円のファイナンスも付いてくるので、ストレッチしてしまっています。まさしく社運を賭してというイメージです。

 では今、米国に出て行くのはいいのかどうかということですが、米国か新興国のどちらに行くかを想定して、例えば新興国に行ったとします。新興国は一つではなく、インドもあれば中国、ブラジルもあります。各国で医療制度、医療習慣は全然違うので、そこで米国で得られるのと同等の利益を上げようとすると、相当の投資と人材、ノウハウが必要になります。では、中国一国で米国のマイナス分をカバーできるかというと、例えば患者が多くいるといわれているB型、C型肝炎で勝負を懸けようとすれば、もうかるかもしれませんが、これは継続性がありません。米国のメリットは、新薬の開発が非常にスムーズにできることです。そこでまず米国に開発拠点を置き、それに併せてマーケティング拠点を持つという流れを考えると、準大手が米国に軸足を置こうとすることは理解できますが、パートナー選びが果たしてどうなのかということです。

―後発品メーカーの見通しはどうでしょう。

 結局、日本も最終的に後発品は「安ければいい」という話になってこざるを得ないと思います。高い後発品に何の意味があるのかということです。今、後発品メーカーがなぜ利益を上げているかというと、価格を高くして利益を稼げる時間を長くすることで、彼らの新製品の残存期間を長くしているからです。これは当たり前の経済行為ですが、医療財政を考えれば、ブランド品の特許が切れた時に、その8割くらいの値段の安い後発品が出てくればいいわけですよね。やはり後発品も価格を下げられるという時代が来るのではないかと思います。
 では、後発品メーカーはもっとコストを絞るのか、それとも違う業態に転換していくのか。ただ、違う業態に転換する場合は、何ができるのかという問題があります。例えば、ランバクシーなどは新薬に手を伸ばそうとしていますよね。ただ、日本の後発品メーカーにそこまでの体力があるとも思えません。
 後発品メーカーは「インセンティブ」の話が出てくる年には市場で注目されます。政府の利用促進策で2012年に数量目標30%という目標が掲げられていますが、これに向けて今回は最後のインセンティブが導入されました。この中では、例えば剤形の処方変更が可能というものがありました。そうすると今まで1日1錠だった先発品を、数量30%の確保のために1日2錠の後発品に変えることもあり得ます。後発品からさらに安い後発品へ切り替えるケースも出てくるでしょう。そうすると後発品の価格がすごく下がってくる可能性が出てきます。いろいろな意味で後発品もこれからは価格競争などにさらされてくる可能性はあるのではないでしょうか。

―大手、準大手以外の新薬メーカーはどうですか。

 厳しい言い方ですが、彼らが何を担っているのかと考えると、誰かが1社でやってもいいではないかという話になってきます。ただ、大手、準大手の下の企業は創業者経営など、資本の論理がなかなか通らないこともあります。そうなると再編は難しいということになります。

 赤字を計上している製薬企業は日本にありません。薬価は公共事業みたいなもので、年7兆円の利益をどう山分けするかという世界が生じていました。ただ、財政の問題、新薬に対するニーズの変化、グローバル競争の進展があり、そうした環境ではなくなってきています。一方で、欧米の大手製薬企業の経営者は、それなりに日本市場に注目しています。日本は7兆円規模の世界第2位の市場があり、高齢化が進んでいるという事情もあります。また、患者や大病院がどちらかというと都市部に集中しており、医療の効率がいい。制度改革についても「日本は厳しい」との声もありますが、比較的ゆっくりしたテンポで、既存の制度に上乗せされる形で実施されます。フランスなどのように、後発品を使わせるため、制度が短期間でがらりと変わることはありません。これらを踏まえると、中堅どころは米国ばかりに目を向けるのではなく、国内市場も大切にしていかないといけないと思います。中堅より小さい企業は合従連衡しないとどうしようもないのではないでしょうか。

―一番いいなという企業はどこでしょう。

 いろいろな意味でよくなったのは中外製薬です。ロシュとの合併でいろいろな不確定要素があったり、新型インフルエンザの影響でタミフルが上下に振れたり、期待されていた抗がん剤アバスチンが、発売してもなかなか伸びなかったりで、業績に対する見通しが不安定でしたが、結果的にはすべてがうまくいきました。
 見方は分かれると思いますが、大手4社については長期的に見れば、エーザイが取り組んでいるアルツハイマー型認知症の部分に注目しています。日本では高齢化が進み、じわりじわりと患者が増えてきますが、米国では第二次ベビーブーマー世代が60代に突入し、おそらく爆発的なアルツハイマーのケアニーズが出てくると思います。そこに軸足を置き、何か新薬が出てくれば、やはり大きいと思います。

―厳しい話題が多かったのですが、何か明るい兆しはありますか。

 この業界は新薬が出ていくらの世界です。06-09年と比較すると、10-13年は数多くの新薬が出てきます。この10-13年で出てくる新薬がどのくらい利益貢献できるかがポイント。各社のキーになる製品が出てきます。
 例えば、協和発酵キリンで言えば抗がん剤KW-0761。武田薬品は海外で腎性貧血薬のヘマタイド。それから国内では不眠症治療薬ロゼレム、抗がん剤ベクティビックス、糖尿病治療薬ネシーナが出てきます。国内では多分、ロゼレムは売れると思います。DPP-4阻害薬のネシーナも売れると思いますが、先行している1成分2剤、ジャヌビアとグラクティブがかなり価格でたたき合っているという話もあるし、ノバルティスからもエクアが出てきています。その他の糖尿病治療薬ではGLP-1受容体作動薬も出て、少し混雑しているかなという印象ですね。いずれにせよ、米国で自社販売するアログリプチン(SYR-322、日本名はネシーナ)と、高血圧症治療薬(アンジオテンシン2受容体拮抗薬=ARB)ブロプレスの後継品 のTAK-491がどのくらい貢献するかがポイントですね。アステラスは中型品でいろいろ導入していますが、国内品が結構売り上げを伸ばし、目を引いています。今年は喘息治療薬のシムビコートも出るなど、スポットですが新薬が出ているので、この辺が収益の下支えにどこまでなるか。
 それから準大手の塩野義、大日本住友、田辺三菱製薬などが、国内向け中心ですが、新薬でどのくらい利益を伸ばせるかがポイントです。


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2010年05月12日

<遺体発見>さいたま市で22歳の男性 事件事故両面で捜査(毎日新聞)

 10日午前9時55分ごろ、さいたま市大宮区土手町1の飲食店従業員、千葉あきらさん(22)方で、千葉さんがベッドの上に倒れているのを、訪ねてきた友人(21)が見つけ110番した。胸に1カ所刺し傷があり、病院に搬送されたが約1時間後に死亡が確認された。埼玉県警大宮署は事件事故の両面で捜査している。

 同署によると、千葉さん方はアパート1階のワンルームで、鍵は開いていたとみられる。千葉さんは1人暮らし。発見時はワイシャツとズボン姿だったという。11日に司法解剖し、死因を調べる。【飼手勇介、平川昌範】

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2010年04月23日

虐待の連鎖断ち切れ 社会の無関心さに警鐘(産経新聞)

【なぜわが子を傷つけるのか】(5)

 虐待され続ける子供と、虐待を繰り返す親。どうしたら、この現状を止められるのだろうか。

 30年にわたり援助の第一線で働き続け、昨年3月、闘病の末にこの世を去った医師がいた。東京都江東区の小児科医で、社会福祉法人「子どもの虐待防止センター」前理事長の坂井聖二さん(享年59)。

 「虐待を受けた子供は今も地域で暮らしている。つらくても声を出せないでいる。私たちがあきらめることは、私たちがその子をネグレクト(育児放棄)することだ」。江東区の保健師、太田富士子さん(49)は、今も坂井さんのこの言葉を胸に、自転車で家庭訪問を続けている。

 坂井さんは開業医の家に生まれた。医師になって2年目の昭和54年、虐待で左目を失った2歳の女児の主治医となったことから問題に取り組んだ。欧米の最新知識をわが国へ紹介する一方、「子供は地域で生きたいのだから、地域のネットワークで支えよう」と保健師をはじめ児童相談所、学校、保育所などの関係者と集まり、個々の家族をどう支援していくか考える「ケース会議」を重ねた。

 太田さんは「坂井先生がかかわり、地域で10年以上1つの家族を支え続ける会議もある。子供や家族を地域で粘り強く支援することがいかに重要なことかを学んだ。拒絶する親でも、必ず介入のチャンスがあることを知った」という。

 ■援助必要な家族

 坂井さんは亡くなる6年前、重い眼病にかかり視力をほぼ失った。やがて肺炎を発症し、キャリーバッグに酸素ボンベを入れケース会議に現れたこともあった。援助に携わる人々へ坂井さんが残したのは次の言葉だった。

 《虐待という問題の存在を否認し、援助を拒否し、援助者を遠ざけ、援助者に攻撃的にさえなる家族こそ、真に援助を必要としている家族である》

 しつけと主張し虐待を認めない親。児童相談所の職員が訪ねてもドアを開けない親。悪態をつき「自分たちでやっていけるから」と周囲の支援を拒む親…。

 虐待がエスカレートした家庭への対応は難しい。そうした家庭に根気強く「介入」していくことが、問題の根本を解決する方法であることが、専門家らの話から分かってきた。

 ただ、事態はもっと切迫している。今この瞬間にも虐げられている子供がいて、命を落とす危険にさらされている。「根気強く」では間に合わない。

 ■親の言葉疑う時

 東京都江戸川区で今年1月、親から虐待を受け死亡した岡本海渡(かいと)君=当時(7)。虐待に気づいた小学校側は両親と話し合い、父親は「もうしない」と約束した。小学校側はこれをうのみにした。ハイリスク家庭に「介入」できても、親がうそをつけば、意味がないことを浮き彫りにした。

 坂井さんとともに虐待防止に取り組んできた神奈川県伊勢原市の医師、山田不二子さん(49)は「子供は自ら症状を訴えられないため、治療は親の言葉を信じることから始まる。一方、虐待は親の言葉を疑うという相反する対応が求められる」と話す。

 海渡君の事件で、小学校はそれ以上、何もできなかった。区の虐待相談窓口である「子ども家庭支援センター」も安全確認を小学校の情報提供だけで済ませていた。海渡君のSOSは二重三重にブロックされた。

 社会の無関心さが虐待死を増大させている側面さえ、あるように映る。

 事件対応を検証した上で、センター側は新たな対応策を示した。「虐待が疑われる場合はセンター職員が児童の状況を確実に目視する。いざというときは躊躇(ちゅうちょ)することなく警察や児童相談所と協力し迅速な対応を取る」。遅きに失した感はぬぐえないが、こうした態勢を各地で早く整えるほかないのだろう。時と場合によっては、親の言い分を聞かずに通報する選択肢さえあるのではないか。事態はそこまで深刻だ。(終わり)

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